私はすべてを壊すものとして、この世に召喚された。

そして「ヘブンズホルン」という存在を知り、私は胸踊った。

やっとこの世界を終焉まで逝かせる事が出来る、と。

しかし、私が見たのは・・・愚かな人間の欲望とその被害者となった少女。

少女は・・・泣いている。

いつまでもいつまでも。



「聞こえるだろう?あの子の叫び声を。あの子の怒りを。狂いを・・・」

だから私は呟いた。

「可哀想に・・・。誰にでも化け物と扱いをされ、ホルンの実験体になりそうになり・・・。そして火焔のクリスタルに狂わされ・・・」

だから私は微笑んだ。

「可哀想な・・・ミント」

この気持ちは・・・私とお前しか知らない。

苦しみも、悲しみも・・・。

怒りも、狂いも・・・。

私があの子を見つけて・・・あの子を抱いて分かった。

星の民も、この世界の始祖神もそれを癒せやしない。



そう。それは誰にも癒せない。



私はもうすぐ目覚め、あの子を抱きこの世界を黒く染めよう。

それこそがこの世界の罰であり、私が出来る最善の方法でもある。



私が始祖神や星の民に滅ぼされることがあれば・・・素直に受け止めよう。

私の意志がこの世界の心に届くのであれば・・・素直に滅びを迎えよう。



私は滅者。もうひとりの・・・。



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