在る所に一匹の一角獣がいました。
それはまるで結晶のように光り輝き それはそれは美しい馬でした。
一角獣の名は、ホルン。
しかし、ホルンはある賢人に捕まえられる事になります。
それが人間より強く、世界を実験に使ったといわれるエイオンでした。
「そしてエイオンはそのホルンを使って一つの笛を作り上げた・・」
一人の少年が呟き、少年の濃い青のショートヘアーがふわりと上がる。
「人間はエイオンが滅んだ後、その笛を手に入れた。その後、その力は100万人とも言われている死者を創りあげた・・・まぁ当然の結果だね」
少年はある樹の上の枝に座っていた。
「そんな力、人間に制御できたらこの世界は死の世界か消滅してただろうね。まぁ・・・それはいいとして」
青い瞳で少年が見ていたのは一人の少女。
少女は急いでいるのかどうかは分からないが必死に走り去っていく。
「あの子が母さんが言っていた子かぁ。 でもあまり関わりたくないんだよねぇ・・・母さんも言ってたけどさ」
少年は一人で呟き、ふと一つの考えを閃く。
「とりあえず俺は動かないから動ける人を召喚すれば・・・」
と思ったがそれが一番大変なことだった。
一つはそれをやるのならば強力な助っ人的存在を手に入れなければならない。
しかし少年にはそういった関係性のある者がいない。
もう一つはそれらが「始祖神」と呼ばれる世界の一つの可能性が十分にある。
だが母がいるかぎり、それらは恐らく簡潔にクリア出来るだろうが・・・。
「時間がない上にあれが動き出しちゃったからなぁ。まぁそんなこともいってられないな。それまで頑張ってくれよ」
そう言い、その場から少年は消え去ってしまった。
+ + + + + + + +
はぁはぁ と声を荒げるライル。
声は荒げても意外にも身体と心は動いていた。
ただ怖くて怖くてたまらなくて仕方がない。
どさりと、ついに力尽きたのか、転んでしまった。
もう足はふらふらで立つ事もままならない。
「まだ逃げるつもりか?」
「!!」
フォルスが目の前にいた。
優しい瞳で語りかけてきた言葉。
「さあ来い。もう逃げることも何をしても無駄だ」
「嫌!」
「何故それ程嫌がる? お前が人間を殺したのに」
「・・・っ!!」
「成る程、それが嫌なのか。己が人間を殺してしまった罪からただ逃げているだけなのか」
「私は・・・」
俯く少女に対して、男は溜息をついた。
そんな男に対して少女はその隙を突いて逃げ出してしまったではないか。
ふらふらだった足を引きずり、少女はまた道に沿って走り去っていった。
そんな少女を見て、フォルスは不思議な笑みを浮かべた。
「それでいい、逃げるが良い。お前の力を見せてもらう。その後お前を手に入れるとする」
* * * * * * *
少女の足はもはやボロボロになっていた。
いつしかフォルスの姿がいなくなっていた。
安心感は無かった。だが、何か寂しかった。
なんでそう思ったのかは分からない、ただただ寂しくて・・・。
足がふらついた刹那。
「きゃっ」 「ひゃあ!」
女の人とぶつかってしまった。
ショックピンクより濃いピンクの髪、オレンジ色に光る瞳。
「す・・すいません」
「ビックリした〜。あんた大丈夫?」
「はい・・」
「足ボロボロなのに?」
「・・・・」
「しょうがないわね〜」
そう言い、呟いた。
淡い色がライルの足を癒す。
「これで立てれるわね?」
「はい・・・ありがとうございます・・では−」
ぐい、とその女は少女の服を引っ張る。
「何でそんなに急いでいるの?」
「・・それは・・」
ライルが返答を困っていた矢先。
「ここにいたのですか ライル様」
そう言ってきたのは紛れも無い。
魔物だった。
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